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両A面チラシはメリットよりもデメリットが遥かに大きい

両A面チラシは「お得」でなく「自殺行為」|効果が激減する理由

両A面チラシは「お得」なのではなく「自殺行為」に等しい。効果が激減してしまうその理由とは?

こんにちは。フリーランス歴25年の広告デザイン屋、新潟の佐藤です。本記事では「両A面チラシの是非」をテーマに書いてみます。

「チラシのオモテ・ウラをA面・B面に分けて、それぞれ違う内容のチラシを作ると1枚で2つの案内が出来てお得なのでは!」

そのようにお考えになる事業者さん、きっといらっしゃると思います。
確かにウラ面を白紙にしておくよりは可能性が広がる気がしますよね。ですが…

それはとんでもない悪手です。

両面に別々の案内を載せた「両A面チラシ」は、一見すると効率的であるように見えますが、実際には販促効果を大きく下げる致命的な欠陥があります。理由はシンプルで、次の3点に集約されます。
  1. 片面しか見てもらえない可能性が高い
  2. 本命の情報が届かないリスクがある
  3. 配布時の向きを広告主はコントロールできない
この記事では、なぜ両A面チラシが悪手なのかを具体例と数字でも解説し、裏面を有効活用する現実的な方法までご紹介します。

✅ この記事で具体的に分かること


✅ この記事を書いた人

両A面チラシについて深く考えている広告デザイナー

新潟の魔法の名刺屋 佐藤 たかあき

営業~現場までこなす自営業さん向けに売れる名刺を全国対応で作成するフリーランスの広告デザイナー。特に個人・小規模塗装店・屋根工事会社の職人社長さん達からの支持が厚く、名刺だけでなくチラシや看板・HP等のデザイン等も数多くお引き受けしています。販促に関するセミナーを全国12都県の商工会・商工会議所様などで述べ133回講演。中小企業庁「ミラサポ」販促専門家登録(平成28年~令和2年)


それでは、始まり始まり。

 

 

 

【第1章】

両A面チラシの致命的な欠陥

 両A面チラシは片面しか見られない可能性が高い

さて、表面と裏面とで、それぞれ別の案内を載せる両A面チラシはなぜダメなのでしょうか。それは…

  • 必ずしも両面とも見て貰えるとは限らない。
  • むしろ片面しか見て貰えない可能性の方が高いから。

実際に我が家に入ってきた両A面チラシで具体的に見ていきましょう。

片面は、エアコンクリーニングの案内。

対面は、ソーメン通販の案内。

 

随分と極端な両A面チラシですが、実際に新聞折込されてきました。で、

仮に私が「エアコンクリーニングの面」から先に見たとしましょう。そして私はエアコンクリーニングには興味がなかったとします。そうなりますと…

 

わざわざ裏返して裏面を確認することはありません。

 

さっさと次のチラシのチェックに移ります。

なので、せっかくの「ソーメン通販の案内」に私は気づくことが出来ません。

 

あなたは興味の無いチラシの裏面を確認されますか? しませんよね。

 

逆に「ソーメン通販の面」から見ても同じこと。

興味が無ければ裏返すことはありません。

つまり「エアコンクリーニングの案内」には気付かずに終わる。

 

ここが大問題。

エアコンクリーニングには興味の無い私でしたが、もしかしたら「ソーメンの通販」には興味があったかもしれないのです。

 

それなのに両A面にしてしまったばっかりに、私はエアコンクリーニングの面から見てしまった。興味が無いので裏返さなかった。結果としてソーメンの通販には気付かずに終わってしまうのです。

 

この不合理をあなたはどう思われますか?
だったら裏面を白紙にしておいた方がよっぽどマシだったとは思われませんか?
チラシは「紙を使い切る競技」ではないのです。

多くの人は、このチラシを「両A面チラシ」だとすら認識しません。なぜなら、興味のない面を見た時点で裏返さないからです。裏面は、存在しないのと同じ。これが両A面チラシの本質的な欠陥です。

 

 

 両A面チラシは本命情報が届かないリスクが

両A面のチラシを打たれる事業者さんの頭の中を想像しますに…

  • チラシを打ちたい。
  • でも裏面が白紙なのは勿体ない。
  • だったら裏面には別の案内を載せれば、1枚で2種類のチラシを打った事になってめっちゃお得!
  • コスパ最高。

このように考えての事ではないでしょうか。

気持ちは分かります。でもそれはかえって効果を下げてしまう悪手なのです。

 

両A面チラシであっても、広告主的には「実際にはメインはこっち」という本命の面があると思います。しかしながら、両A面にしてしまったばっかりに、本命の面に気付かれずに終わる可能性を生み出してしまう。むしろチラシの取組コストを台無しにしてしまう。これを悪手と言わずして何と言うのでしょう。

 

両A面チラシは「お得」なのではなく「自殺行為」に等しいものなのです。

1枚のチラシで案内する内容は1つ。1チラシ1目的が大原則であるとご理解いただけたらと思います。

 

 

 配布時の向きを広告主はコントロールできない

多くの方はあまり意識されていませんが、チラシって特に新聞折込に関しては、どっちが表になって配布されるか分からないものなのです。

 

実例を見てみましょう。

新聞折込を例にしますが、まずもって新聞をどのように開くは人それぞれ。

どちらも同じ日の同じ新聞です。

写真のように左から開く人もいれば、右から開く人もいる。

この時点でもう各社のチラシは、どちらが表面なのかなど意味をなさなくなっています。このことから、折込チラシをまとめる人は「全てのチラシの表面と裏面の向きを揃えよう」などとは考えていない事が分かりますね。

 

以下がその証拠です。

向きも表裏も不揃いな新聞折込チラシ

1番上の小さな「イベントのチラシ」は裏面がこっちを向いていますが、下の「買取大吉さんのチラシ」は表面がこっちを向いていますでしょ。このチグハグさ。なんなら天地方向すら揃っていませんよ。

 

そして広告主は「コッチが表面なので、こっちを上にして折込してください」とリクエストする事は出来ないのです。なぜなら、それは手間ですし意味も無いからです。

 

だって、表面を上にして折込したところで、購読者が新聞をドチラの方向から開くのかは分からないのですから。なので新聞折込チラシの束には「表側・裏側」という概念がそもそも無いと思われます。

本命の面を意図的に露出させる事は出来ない。
この事実を理解できれば、両A面チラシがいかに不合理な悪手なのか、ご理解頂けるのではないでしょうか。

 

 

 反対側を見る動線を付けても無駄無駄無駄ァ

裏を見ないのは、裏を見たくなる導線が無いからだ!

 

「ウラ面も見てください▶︎」

「このチラシは両面です(特典あり)」

 

このような導線があれば見て貰える。裏返し率を上げられる!

そのようにお考えになる方もいらっしゃるでしょう。

それは残念ながら無駄無駄無駄ァ。

 

興味の無いチラシに載ってる導線など、誰も気付きはしません。そこまで見ません。

人はチラシを0.5秒で「自分に関係ある/ない」を判断しています。導線が機能するのは、パッと見た面が興味のある内容であった場合だけです。そうでなければ、導線にも気付かれることなく読み手は次のチラシの確認に移ります。

 

だったら導線を大きく載せるのは?

誰もが気付くほど大きく載せると、それはもはや何がなんだか分からないチラシになります。せっかく興味の持てそうな内容だったかもしれないのに、大きな導線掲載のせいで「なんかよく分からチラシだな。私には関係ないかな」と余計にスルーされる原因になることでしょう。

このように、どうにかして両A面チラシを機能させようと考えるのは無駄なこと。潔くウラ面は白紙の片面チラシで行きましょう。そっちの方が遥かに有益ですよ。

 

 

 ウラ面は白紙の方が遥かに有益

ウラ面を白紙にしておく方が遥かにメリットあります。なぜなら…

裏面が白紙の片面チラシ

上の写真のように真っ白な面の方が露出していれば、誰が見ても「これは裏面だな」と分かります。こうなると「何のチラシかな?」と裏返すのは必然です。つまり本命の案内を確実に見て貰える設計になる。

 

裏面には余計なことは何もしない。これこそが本命の面を見てもらう最強の導線なのです。

加えてウラ面が白紙のチラシは、ポスティングでも有効に働きます。ポスティング屋さんはチラシの束の表裏・天地を揃える傾向にあります。裏面が真っ白であれば、ポスティング屋さんもどちらが表面かは明らかに分かりますので、デザインされた面を表側にしてポスティングしてくれる可能性が高いのは明らかですよね。

 

 

 数字で見る両A面チラシの不合理さ

両A面チラシの欠陥を数字でも見てみましょう。

通常であれば1,000枚チラシを打てば、1,000人が見てくれる計算ですが、両A面チラシに関しては、そうはいきません。

 

再び「エアコンクリーニング」と「ソーメン通販」の両A面チラシを例に出しますが…

両A面のチラシを打たれる広告主さんは、「少なくともドチラか一方の案内には興味があるハズだ」という楽観的な前提で考えておられると思いますが、現実にはドチラにも興味が無い人が大半です。良くてそれぞれ10%程度ですよ。

 

仮にこの両A面チラシを1,000枚ほど新聞折込したとしましょう。

そして本命は「エアコンクリーニングの面」であったとします。

 

裏面が白紙の片面チラシなら、1,000人全員(100%)が本命の面を見てくれるのは前述の通り。しかし両A面チラシでは話が変わります。

 

どちらの面から先に見るかは五分五分。

つまり、本命のエアコンクリーニング面を見るのは、500人。

ソーメン通販の面を見るのも同様に、500人。

 

そして、先にソーメン通販を見た500人がどうするか。

ソーメン通販に興味がある人はいいとこ10%ですので、裏返して本命面も見るのはわずか50人。そう、敗者復活してくるのは50人しかいないのです。

 

つまり、エアコンクリーニング面を見てくれてる人は最初から見てくれた500人に、敗者復活組50人を加えて550人。

 

本来なら1,000人に見て貰えたはずの本命案内が、両A面にしたせいで550人にしか見てもらえなくなってしまうのです。

 

本来100%であったはずの到達率が55%に激減。

自動的に45%を失うというこの不合理さ、怖くありませんか。

いかがでしょう。この計算が理解できれば、両A面チラシがとんでもない悪手である事をご納得いただけるのではないでしょうか。

 

 

 両A面チラシ、唯一にして最大のメリット

ただし! 

両A面チラシの良いところは…

 

運良くパッと見た面が興味のある内容の方であった場合。この場合は裏面も見られるので、もう1つの案内も知らせる事ができる。

 

1粒で2度美味しいとは、まさにこのこと。ここだけ見れば両A面チラシは美しい。

ただし、そうでなかった場合のリスクは前述のとおり。

 

最初に見た面に興味が無ければ、裏面は存在しないのと同じ。本命情報は届きません。つまり両A面チラシは、当たれば2倍。外れたら良くて半減、最悪のケースで5%という「超ハイリスク・ハイリターン構造」と言えます。

 

それに引き換え裏面が白紙の片面チラシは、本命情報が間違いなく届きます。

確実性・安定性が高いのはドチラでしょうか。

 

チラシは確かに博打的な面があります。

両A面チラシは当たればデカい!に賭けてみたくなるロマン派な広告主さんもいらっしゃるかもしれません。しかし両A面チラシの不合理さはこれまでに述べた通りです。勝ち筋を最大化したいなら、片面チラシの方に圧倒的な優位性があるのですよ。

「裏面が真っ白なんて勿体無い!」
そのお気持ちは痛いほどよく分かります。しかしながら「両A面チラシは裏面が白紙のチラシよりも遥かに勿体無いのだ」という事をご理解いただけましたら幸いです。

 

 

 

【第2章】

ウラ面の有効活用方法

 裏面を広告として使わない

それでも「ウラ面が白紙なのは勿体無い!何か載せたい!」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方の為に、片面チラシの有効活用法を教えて差し上げましょう。実例を見てもらった方が早いので画像を載せますね。

いかがです。

ウラ面を広告として利用せず、実用品にするという方法です。

  • 視力検査表
  • 西暦和暦年齢一覧表
  • 重要な連絡先一覧表
  • クロスワードパズル
  • 塗り絵

などなど。これらのような実用品となっていれば、こっちの面から見たとしても致命傷にはなりません。「これは広告ではないな。こんなの載せるのどんな店(会社)だろう?」と反対面を確認します。つまり本命の面もほぼ確実に見てもらえます。

 

実用品は広告と異なり拒否されません。かつ実用品は保存率を高める効果まで期待できます。むしろ白紙にしておくよりも筋が良いかもしれません。

 

視力検査表のやつなんて面白いですよね。やってみたくなる。

こっそりと自店の宣伝が紛れ込んでいることに、思わずクスっとなってしまいます。

襖の張替は頼まないまでも、このお店の店名を覚えてしまいそうです(笑)

ポイントとしては、これら実用品ウラ面はモノクロで印刷することです。カラーで印刷してしまうと作品としての完成度が上がってしまい「この面がオモテ」と誤認されて、本命である反対面を見てもらえなくなる恐れがありますのでね。

 

 

 神案:ウラ面を求人案内として使う

最後に、ウラ面の画期的な「神案」をお示しして終わりにします。それは…

 

裏面を「求人案内」にする。

 

これです。

求人案内は、当然のように求職中の人が見ます。そして面白いのはここから。求人案内は、求職中の人でなくても見る可能性が高いのです。なぜでしょう? それは…

 

今定職に就いている人も他人や他業界の労働条件が気になるから。

  • 生活防衛本能に直結
  • 将来の選択肢を無意識にチェック
  • 今すぐ関係なくてもスルーされにくい

だから思わずその求人広告を見てしまう。

そして「こんな求人を出してるのはどんなお店(会社)かな?」と裏返す。つまり、求職案内面から見た人は多くが興味を示します。本命の面も見て貰える。自動的に裏返して貰えるので、裏返し導線が不要なのです。

 

但し、求人案内が本命であった場合、反対面から先に見た人は裏面の求人案内に気付かない可能性が高まるので注意が必要ですけどね。

 

実際に裏面が求人になってるチラシはあるのかな?
と私のチラシコレクションを漁ってみましたら…

1つだけありました。新聞販売店さんのチラシですね。

宅配物販案内の面がカラー、求人情報の面はモノクロ、差をつけてるのは上手だなと。まぁこれはどちらも本命っぽい感じがしますが^^

さて、多くのチラシは1,000枚配布しても興味を持ってくれるのは良くて1割程度の100名。しかしウラ面を求人案内にとして活用すると、その分母を限りなく1,000名に近づける事ができる。これは「神案」と言って差し支えないのではないでしょうか。

本記事はこれでおしまいです。

両A面チラシはメリットよりもデメリットの方が圧倒的に大きい|効果が激減する理由
両A面チラシのデメリットと、効果的なウラ面活用方法のお話、いかがでしたか。1枚で2つの案内ができる両A面チラシ、理屈の上ではその通りですが、現実にはかえって不利となるという事をご納得いただけたのではないでしょうか。

せっかく手間も費用もかけて打つチラシです。それなのに自ら確率を爆下げしてしまうような両A面チラシは悪手でしかありません。この記事が皆様の効果的かつ効率的なチラシ販促のお役に立てば幸いです。

「二兎を追う者、一兎をも得ず。」

昔から真理として分かりきっている事でしたね。

 

【追伸|デザイン会社さんへ】

クライアントさんが両A面チラシを希望されたら、止めてあげてください。2種類の広告デザインを作るにしても、それは別々のチラシとして配布するようにアドバイスを。その助言によって御社はクライアントさんからの信頼を増すことになるでしょう。どうしてもクライアントさんが納得してくれない場合には、この記事をクライアントさんに読んでもらってください。

 


 

以上、「両A面チラシはお得でなく自殺行為」という記事でした。

 

「両A面チラシ、ダメ、絶対。」

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

【おまけ】

とは言え、片面チラシが良いワケでもありません


1つの内容について両面を余すことなく活用、伝える情報を最大化して読み手に届けた方が、より効果的ではないでしょうか。

 

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