個人、又は小規模の塗装屋さん・屋根屋さんが看板を活用する場合、どのような看板をどのように活用するのが集客上で効果的でしょうか?
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新潟の魔法の名刺屋 佐藤 たかあき
営業〜現場までこなす自営業さん向けに売れる名刺を全国対応で作成するフリーランスの広告デザイナー。特に個人・小規模の塗装店・屋根工事店の職人社長さん達からの支持が厚く、名刺だけでなくチラシや看板のデザイン等も数多くお引き受けしています。販促に関するセミナーを全国12都県の商工会・商工会議所様などで述べ133回講演。中小企業庁「ミラサポ」販促専門家登録(平成28年~令和2年)
足場幕(イメージシート)3つのメリット
現場の足場に掲げる幕看板(イメージシート)は塗装屋さんや屋根屋さんの集客に大変有効です。足場幕シートの利点は以下の3つ。
❶ 家賃不要で掲出できる
自社の敷地内でもないのに無料で巨大な看板が出せてしまうのは足場幕(イメージシート)の特異な利点です。他の看板ではこうはいきません。それが長期(2~3週間)に渡って継続できるのですから、掲出しない手はありませんよね。足場幕を活用出来るのは塗装屋さんや屋根屋さんの「稀有な特権」であると言えます。
❷ 繰り返し何度でも使える
素材はテント生地ですので軽量かつ耐久性もあります。使用しない時は畳んでしまっておけますので保管場所に困る事もありません。畳めばコンパクトにまとまるので持ち運びも非常に簡単です。このように気軽にアチコチに持って行ける大型看板は他に無いのではないでしょうか。
❸ ご近所様からの声掛かりが期待できる
現場の周辺は築年数が近いお家が多いです。つまり工事は外壁・屋根メンテナンスについて気になっている人達が大勢いる前で毎日デモンストレーションをしているのと同じ。そこに幕看板(イメージシート)が掛かっていればホームページ等を調べて貰える事が考えられますし、最高のケースでは『次はウチも見て欲しいのですが』と直接声を掛けて頂けるなんて事も実際にあります。せっかくの自社現場、そこで自社アピールをしないのは大きな機会損失をしていると言えます。
❶ 標準サイズは?
一軒家に架かる足場に掲げる幕看板(イメージシート)は短辺1.8メートル、長辺3.6メートルが標準サイズです。数字だけ聞くと非常に大きく感じるかもしれませんが、実際には高い場所に設置されて近寄って見る事はありませんので、このくらいの大きさで丁度良いです。
❷ 縦型?横型?
縦型で作成される会社さんが多いです。見た目の問題ではなく、設置のし易さがその理由になります。縦型ですと1人で設置する際にとてもラクなのだそう。横型でも無理というワケではないようですが、端まで3.6メートルもあると1人で設置するのは中々大変なのだそうです。私が幕看板をデザインさせて頂く時も、特別な事情が無い限り縦型でデザインしています。
❸ 呼び名がアレコレある
幕看板(イメージシート)は統一された呼び名が無く、様々な呼ばれ方をしております。工事幕、工事シート、足場看板、足場幕、足場シート、現場幕、現場シート、PR幕、PRシート、アピール幕、アピールシート、イメージ幕、イメージシート、ターポリン看板、ターポリン幕、メッシュ看板、メッシュ幕、垂れ幕、横断幕、懸垂幕、などなど。これら全てほぼ同じモノを指しておりますが、一般的には「足場幕」もしくは「イメージシート」と呼ばれる事が多いようです。
自社壁面看板2つのメリット
塗装屋さんや屋根屋さんが社屋や倉庫の壁面に看板を掲出するのは非常に有効です。自社壁面看板の利点は以下の2つ。
❶ 地域での認知度がアップする
世間では「工事屋さん選びに迷ったら事務所を見に行け」という言葉もあるようですので、看板をシッカリと掲げておく事は重要です。とは言え、来客があるワケではないからと「社名だけの表札看板」では勿体無い。キチンと取扱業務が分かるよう「外壁塗装」や「雨漏り修理」などの文言を大きく入れておきましょう。そうする事で『ここに塗装(屋根)屋さんがあるんだな』と近隣の方からご認識頂けるようになります。
実際には何年も前から営業していたとしても、業務内容までキチンと伝わる看板を新たに掲げてみると『ここに塗装(屋根)屋さんがあったなんて知らなかったよ』と言われるご近所様は多いですよ。ちゃんとした看板を出していないと、自分が思っているほど自社の存在は近隣の方々に認知して頂けていないものなのです。
❷ 近隣の方々からの声掛かりが増える
分かり易い看板を掲げると近隣の方が声を掛け易くなるメリットも。ここが塗装(屋根)屋さんだと知っていたとしても、『一般人の依頼を引き受けて貰えるのだろうか?』と腰が引けてしまっている近隣の方がおられます。そんな方達に対して、一般の方からのご依頼を歓迎する旨が書かれた看板があれば安心して声を掛ける事ができますよね。
それは近隣の方々に貴方の会社が認知されていない明白な証拠です。自社の周辺は自社の縄張りとして、他社の進出を出来る限り阻止しましょう。現場が近いと貴方もお客様もラクちんで、お互い Win - Win ですよ。
のぼり旗3つのメリット
のぼり旗は飲食店さんや物販店さんの専売特許のように思われがちですが、塗装屋さんや屋根屋さんにとっても非常に有効です。のぼり旗の利点は以下の3つ。
❶ パッと目に付く
風になびいて動くので存在に気づいて貰え易い。この「動く」というのが他の看板には無い特性で、のぼり旗が様々な業種で好んで使われる大きな理由となっています。
❷ 活気が出る
動きがある事で周辺に活気が出て「売れてる感」を醸し出す事ができます。この「活気づく」という特性も他の看板には無い独特のもの。活気のあるのと活気が無いのとでは、活気のある方に人が寄って来る事は想像に難くないでしょう。
❸ 一般客歓迎なのが伝わる
のぼり旗の最大の効果は「一般客を歓迎している」という姿勢を明確に示す事ができる点です。ここが塗装(屋根)屋さんだと分かっていたとしても、『ウチみたいな一般人の依頼を引き受けて貰えるのだろうか?』と腰が引けてしまっている近隣の方がおられます。のぼり旗はこの課題を完璧に解決。グンと「相談し易い」「依頼し易い」そんな空気に一変してくれます。
のぼり旗の生地の脇と上に付いている竿を通す輪っか、正式名称を「チチ」と呼びます。この「チチ」はオリジナルで製作する際は左側・右側と付ける位置を選ぶ事が出来ますが、左側に付けるのが定石(基本)で既製品に関しては全て左チチになっています。のぼり旗は歩く人が当たっても怪我をさせない様にとの配慮から、チチ側(竿側)をお店側としチチの無い方は道路へ向けて垂直に向けるのが基本となっており、車が左側通行である日本において車で通過する人が見易い様にと左チチが基本となっています。とは言え、風向きによってコチラの意図しない方向に向いてしまう事も多々あるのがノボリ旗の弱点であったり致します。
宣伝カー3つのメリット
塗装屋さんや屋根屋さんの社用車を看板(宣伝カー)化する事は非常~に、非常~に有効です。宣伝カーのオススメ理由は3つ。
❶ とにかく注目度が高い
宣伝カーは非常に奇異で珍しいので皆が振り向きます。ここまで見て貰える看板は他に無いでしょう。走ることで動いてもいるので注目度は尚さら高まります。どうせ仕事で町中を移動するなら、ついでに宣伝も出来た方が効率的(一石二鳥)でしょう。
❷ ランニングコストがゼロ
製作費は掛かりますが、野立て看板のような家賃(ランニングコスト・固定費)が掛かりません。作ってさえしまえば、後はずっと無料で宣伝が出来てしまいます。
❸ どこにでも看板が出せる
現場であるお客様宅だけでなく、買い出し中のコンビニやホームセンター等の駐車場内でもアピール・宣伝が可能。通常ですと他社の敷地内に看板を出すには許可・費用が必要ですがそれが不要。更に言うと、お金を払っても許可が出ないような公共の場所でもアピール・宣伝が出来るのは他の看板には無い驚愕のメリットと言えます。
車両の看板化には「マーキング」と「ラッピング」の2つの方法があります。それぞれの違いは以下の通りです。
❶ マーキング
ボディに対し切り文字を貼るのがマーキングになります。ちょっと印を付ける(マークする)、といったニュアンスからマーキングと呼ばれているようです。会社の営業車・トラックのドアやリヤに自社の社名をちょこっと入れるイメージです。とは言え、社名をスマートに入れるだけでは単に自社所有の車である事を示しているだけであり、これでは小学生が自分のパンツに名前をマジックペンで書くのと変わりません。宣伝カーとして活用するには取扱業務をやや大袈裟に大きく入れたりするなどして、目立たせる工夫が必要です。
❷ ラッピング
車両全体を大きなデザインフィルムで覆うのがラッピングになります。覆う、包む、といったニュアンスからラッピングと呼ばれているようです。車両ラッピングでパッと思い浮かぶのが路線バスですよね。最近は全国どこでも丸ごと看板化されたバスが走っていますよね(他に痛車とかも。笑)。訴求効果で言えばラッピングに軍配が上がりますが、マーキングであってもデザイン次第でラッピングと遜色無い訴求効果を出せますので、優劣はつけ難いです。
❶ 違法駐車などが出来なくなる
非常に目立ちますので、交通ルールを逸脱してしまった場合に会社のイメージダウンとなってしまいます。交通ルールの遵守は誰にとっても必須ですが、車両を看板化した場合はより意識を高く持って運用されてください。
❷ サボれなくなる
宣伝カーをパチンコ屋さんに駐車しようものなら『あの会社の人はサボっているな』と市民の皆様にバレバレになってしまいます。宣伝カーは迂闊な場所に駐車しないよう注意が必要です。
❸ 下請けでの現場には乗って行けない
他社の現場で自社アピールすると大ヒンシュクを買ってしまいます。宣伝カーで乗り付けるのは自社現場だけにしましょう。訴求力は落ちますが、表示部分をマグネットにする事で着脱可能にし、どのような現場にも対応できる様にする方法もあります。
ショールーム3つのメリット
規模拡大を目指されるのであれば、塗装屋さんや屋根屋さんがショールームを作るのは効果的です。ショールームのメリットは以下の3つ。
❶ 認知度アップに繋がる
お店そのものが看板になりますので365日・24時間、近隣の方々のみならず前面道路を行き来する車や歩行者にアピールできます。せっかくの店舗やショールーム、カッコつけて社名や店名だけの看板では勿体無いです。何屋さんなのかを力強く打ち出せば、店舗そのものが優秀な営業マンになってくれます。地域の皆様に自社の存在を一気に知らしめる事ができます。
❷ 大きな信用に繋がる
お店の存在は信頼感や安心感の面で大きなアドバンテージとなります。私は自宅の一室を仕事場にしておりますが、キチンと事務所を構えておられる広告屋さんと比較して1段低く見られてしまっているなという実感があります。私は独りで仕事をしているのでこれでも問題は無いのですが、仮に規模拡大を目指すのであれば、キチンと事務所を借りて体裁を整えなければイケナイだろうなと思います。
❸ お客様が相談し易くなる
一般の方々からの相談・依頼を歓迎しているのが明らかに分かりますので、お客様は安心して相談に出向く事ができます。加えてショールームがあれば今までは言葉や写真で伝えるしか無かった難しい構造説明も展示によって体感的・立体的にご理解頂ける様になりますので、受注率のアップにも貢献してくれます。
社員は皆職人で、日中は社長である自分を含め全員がほぼ現場に出てしまっている。その様な会社さんでもショールームを持たれているケースはあります。実際問題として小さなショールームには毎日の様に来店があるワケでは無いので、専用の常駐スタッフを雇用するのは不経済です。シャッターを開け、電気を付けて開店状態にし、でも鍵は閉めておき、ドアノブに「只今不在にしております。ご用の方はコチラまでお電話ください。」とボードを下げておく事で対応されている会社さんが多いようです。もしくはショールームはご予約専用とし、日時をご予約頂いた上で中で相談対応するという方法を取られている会社さんも。ショールームは「お店」と言うよりも「看板代わり」と割り切った使い方でも良いのかもしれません。常駐スタッフの配置は会社の規模が大きくなり、来店者が増えてきてからお考えになれば良いでしょう。
以下は実際にショールームを構えられている塗装屋さん数社にお聞きした話です。御社が今後ショールーム開店を検討される際のご参考になさってください。
🅠 そもそもなぜ作る事に?
Ⓐ 同業の先輩経営者から『すぐに元は取れる!絶対に作るべき!』と強く勧められて、その気になった。
🅠 不安は無かった?
Ⓐ めちゃくちゃあった。「ショールームなんか作って本当にお客さんなんて来るのかな…」って。初期費用も家賃も掛かる。店内ディスプレイは自分で作らないとなので、そもそもの立ち上げ自体めっちゃ大変。これで誰も来なかったら浮かばれない…
❸ 結果どうでした?
Ⓐ「先輩経営者さんの言っていた事は本当だった☆」「店内ディスプレイは出来てなくて看板が付いただけの開店準備状態なのに電話が鳴った☆」「店を見て電話くれる人が増えた☆」「こんな事ならもっと広い物件を借りておけば良かった☆」などなど。
野立て看板の効果的な活用法
野立て看板のような貸し看板は月々の費用が固定費として掛かる事になりますので、無条件でオススメは出来ません。塗装屋さんや屋根屋さんが野立て看板を効果的に活用するポイントは以下の5つです。
❶ 同様の看板を自社の敷地内にも設置しておく
野立て看板だけが単独で存在していても浸透度は知れています。自社の敷地内にも野立て看板と同様のデザインの看板を出しておく事で『あそこの会社だな』と見た人の頭の中で紐付く事になり、自社の存在感が高まっていきます。
❷ 自社から極端に離れた場所に設置しない
会社の規模にもよりますが、自社のテリトリー(縄張り)内に掲出しましょう。自社に近いと自社の看板も目にして貰える可能性が高まりますので『あそこの会社だな』と頭の中で紐付く事になり、看板を見た方の中で自社の存在感が高まっていきます。
❸ できれば複数ヶ所に設置
自社を囲むように何ヶ所か設置できれば理想的です。自社のテリトリー(縄張り)を面で抑えるイメージと言えば伝わりますでしょうか。自社を中心に3カ所ほど、三角形で設置するのがベスト配置と言われております。小さな工事会社さんであれば、中学校の校区を自社テリトリー(縄張り)とされるのが効率の面で最も良いでしょう。
❹ 出来れば交差点付近が良い
交差点付近での車は赤信号で停止したり減速したりしますので、看板を目にする時間が長くなる傾向にあります。看板をシッカリと見て貰えるという観点から、一瞬で通過してしまう道端よりは交差点付近の方が有利である事は想像に難くないでしょう。 但し交差点付近の野立て看板は人気があり、空いていない事が多いです。交差点の他に、スーパーマーケットやホームセンター等の駐車場出入口周辺もオススメです。
❺ HPやチラシも同様の見た目に
野立て看板を見てホームページを検索してくれる人がいます。にも関わらず看板とはかけ離れたデザインになっていては『本当にここなのか?』と思われてしまいます。チラシを打たれる際も同様で、チラシが入って来た際に『あの看板の会社だな』と思って頂かなくては効果が半減。人は多くの接点があった相手に親近感・安心感を抱きますので、販促物は全ての見た目を統一し、相乗効果を狙うようにすると効果的で効率が上がります。
掲載広告を募集している野立て看板には連絡先しか書かれておらず値段は電話で聞くしかありませんが、実際の賃料は月2万円~が相場です。面積が大きくなったり、好立地になるほど高くなります。会社によってはデザインや板面の製作費は無料で家賃のみで貸してくれる物件もあります。ただし年間契約が基本となりますので、数ヶ月だけ掲出するといった使い方は出来ません。複数ヶ所を一括で借りたり、複数年の長期契約で借りたりする場合は賃料の交渉が出来るようです。
他社ビルの壁面に掲出する看板も野立て看板の範疇に入ります。こういった家賃を払って借りる看板は総称して「屋外媒体広告」と呼びます。大きな意味ではバス広告もその範疇に入るでしょう。バス広告も地域や路線によっては検討の価値があると思います。他にも電柱広告や、面白いのだとマンホール広告なんてのもありますよ。
招かざる客も呼び寄せる
塗装屋さんや屋根屋さんに限りませんが事業者さんが看板を出すようになると、お客様だけでなく…
『○○広告社です。ウチの媒体にも広告を出しませんか?』
という広告会社からの営業・セールスが増えます(笑)御社が看板を設置されたのを見て『この会社・お店屋さんはPR・宣伝に積極的なのだろう☆』と思われるのでしょう。しかしながら何でもホイホイ契約していては経費倒れになってしまいますので、慎重にご検討下さい。
営業セールスに来る広告類は効果が期待できないと思っておいた方が無難です。なぜなら人気のある広告媒体は空きが無いので営業セールスに来ないからです。野立て看板に限りませんが枠広告など有料媒体への広告出稿を検討される際は、自分から媒体を見つけてコチラから問い合わせる形の方が当たりを引き易いにように思います。
塗装屋さんや屋根屋さんが看板を活用される場合、その看板1枚で結果(問合せの電話など)を求めない事が重要です。結果を求めようとしますと看板の中に多くの情報を盛り込まなければならず、結果として全ての文字が小さくなり、何の看板なのか分からなくなってしまいます。看板は通りすがりの一瞬の間に目にする物であり、マジマジと読んで貰えるチラシやホームページとは性質が全く異なります。看板の役割は『こんな会社があるのだな』と覚えて頂く事、これに尽きます。それが積み重なる事で自社の存在感がお客様の中で高まり、ホームページを調べて頂けたりするようになるのです。看板はシンプルかつインパクト重視でデザインされると結果に繋がり易いですよ。
以上が塗装屋さん・屋根屋さんにおける効果的な看板とその活用法でした。
本記事はこれでおしまいです
どんな看板が効果的なのか分かっても、肝心のデザインがダメだったら台無しですよね。
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